消費者が負担する消費税を納付するのは事業者!消費税の仕組みと納付税額の計算方法

消費税の仕組みと申告

課税業者の消費税の申告

起業して法人を運営する場合、年商1,000万円を超えると課税業者になって消費税を納税しなければなりません。
2018年度現在の消費税率は8%、2019年10月以降は10%への引き上げを予定しているので法人に取っては大きな負担となります。

 

ただし、法人が納税する消費税は売上の8%ではなく、売上で預かった消費税から仕入れと経費で支払った消費税を差し引いた金額です。
また、法人の場合は起業して2期目までは売上5,000万円以下なら非課税業者になり、消費税を納税する義務はありません。
課税業者になるかは前々年の売上が基準になるので1年目が年商1,000万円以下なら3期目まで非課税になるので、起業したら必ず消費税を納税しないといけないワケではありません。
年商5,000万円を超える場合は起業した1期目から消費税を払わないといけません。

 

課税業者と非課税業者で納税額はどれくらい変わる?

仕入れの状況によって変わってきます。
以下の例をご覧ください。

 

ケース①
売上:10,800円 (内消費税800円)
仕入:5,400円 (内消費是400円)
実質の消費税納税額:400円

 

ケース②
売上:10,800円 (内消費税800円)
仕入:1,080円 (内消費是80円)
実質の消費税納税額:720円

 

ケース①は小売店など仕入れた物を売る業者などが中心です。
ケース②はマッサージ、工事など技術力を売りにしたサービスなどがあります。
売上が同じでも、仕入れや備品などで払った消費税によって負担は大きく変わってきます。

 

また上記は通常計算をした場合です。

 

簡易課税制度を選択すれば業種によってみなし仕入率で課税売上高にかかる消費税率を簡単に計算することができます。

 

なお、みなし仕入率は経費を含めた納税額です。

 

みなし仕入率

均等割 所得の有無に関係なく地域ごとに一律課税される
第1種事業(卸売業) 90%
第2種事業(小売業) 80%
第3種事業(製造業等) 70%
第4種事業(飲食業とその他に分類されない業種等) 60%
第5種事業(運輸通信業、金融・保険業、サービス業) 50%
第6種事業(不動産業) 40%

 

経費は消費税の相殺対象になる

課税経費と非課税経費を管理する会計ソフト

経費には課税経費非課税経費が分類されています。
非課税になるのは商品券やチップ、お祓い費用など非課税の商品がほとんどで、一部で使途(費途)不明の経費も非課税になります。
飲食店での接待や備品購入など大半の経費は課税経費として扱われます。
経費が多くて赤字決算にしている会社は課税業者だけど1円も消費税を納税していないケースがあります。

 

課税業者になると利益が8%減るのではなく、仕入れや経費による税金対策で納税負担を軽減できることを覚えておきましょう。
課税業者になった場合は納税義務だけではなく、仕入れや経費で課税・非課税を分類して計算しないといけないので、計算や税申告が複雑で、決算書作成前の消費税負担額を把握しにくいデメリットがあります。
それでも、最近の会計ソフトは優秀なので、それほど気にする必要はありません。